奈良国立博物館で開催中の特別展「聖地 南山城」展。
開幕からこの展覧会が目的でご宿泊の方も多く、そして鑑賞されたお客様方が口々に「素晴らしい内容!」とおっしゃっていたので、たっぷり時間を取って奈良博の展示を堪能しに行ってまいりました。
展覧会のみどころや概要、展覧会構成などは特別サイト★に詳しく書かれていますのでそちらをご覧いただくとして・・・
以下、私的鑑賞記です。
まずは「浄瑠璃寺九体阿弥陀修理完成記念」特別展ならではの、浄瑠璃寺からたくさんの仏様たちがお出まし下さっていることの素晴らしさ!
十二神将、三重塔にいらっしゃる薬師如来さま、大日如来さま、そして圧巻の二体の九体阿弥陀仏さま。
毎月8日に開扉される浄瑠璃寺三重塔初層で何度か拝観したことがある薬師如来坐像。博物館に来られた薬師如来坐像は、三重塔の中にいらっしゃる時とはまた印象が違って感じましたが、それも脇侍の十二神将たちと140年ぶりの再会を果たされたからでしょうか?
(閉館後にどのようなお話をされているのかとか、つい想像してしまいますね)
まずは「浄瑠璃寺九体阿弥陀修理完成記念」特別展ならではの、浄瑠璃寺からたくさんの仏様たちがお出まし下さっていることの素晴らしさ!
十二神将、三重塔にいらっしゃる薬師如来さま、大日如来さま、そして圧巻の二体の九体阿弥陀仏さま。
毎月8日に開扉される浄瑠璃寺三重塔初層で何度か拝観したことがある薬師如来坐像。博物館に来られた薬師如来坐像は、三重塔の中にいらっしゃる時とはまた印象が違って感じましたが、それも脇侍の十二神将たちと140年ぶりの再会を果たされたからでしょうか?
(閉館後にどのようなお話をされているのかとか、つい想像してしまいますね)
ちなみに、この薬師如来さまは、展覧会初日の8日は三重塔開扉でまだ来られず7/9から、そして後期展示の8/8にはもうお戻りでいらっしゃいません。(前期展示のみです)
140年ぶりに一同が揃ったと話題の十二神将、図録の解説を読むと運慶作の可能性もと書かれていて、なるほどと思うくらい、それぞれに素晴らしい躍動感を感じます。頭上にいただく十二支獣も見事。
140年ぶりに一同が揃ったと話題の十二神将、図録の解説を読むと運慶作の可能性もと書かれていて、なるほどと思うくらい、それぞれに素晴らしい躍動感を感じます。頭上にいただく十二支獣も見事。
奈良博会場では、5か年計画で保存修理が実施された九体阿弥陀仏像の、最終年度に修理された「その1」と「その8」の二体が公開されています(東京展会場では一体のみ)が、光背が外されて背中からも拝観できることや、二体のお顔の違いなどもよくわかり、博物館で拝観できることの醍醐味を味わえます。
ボリューム満点の図録の表紙はもちろん九体阿弥陀仏坐像です。
浄瑠璃寺にばかりスポットを当てましたが、その他にも魅力的で美しい仏さまたちがたくさん公開されていて眼福なのはもちろん、南山城地域がこれほどまでに豊かで素晴らしいところであると再認識させてもらえました。
ボリューム満点の図録の表紙はもちろん九体阿弥陀仏坐像です。
浄瑠璃寺にばかりスポットを当てましたが、その他にも魅力的で美しい仏さまたちがたくさん公開されていて眼福なのはもちろん、南山城地域がこれほどまでに豊かで素晴らしいところであると再認識させてもらえました。
加茂町・現光寺の十一面観音坐像、山城町・神童寺の不動明王立像・愛染明王坐像、山城町・蟹満寺の阿弥陀如来坐像、京田辺市・寿宝寺の千に近い手を持つ千手観音立像と足元で踏まれている神像に注目の降三世明王立像、加茂町・金蔵院のアルカイックスマイルの観音菩薩立像、笠置町・笠置寺の誕生釈迦仏立像、加茂町・岩船寺の普賢菩薩騎象像(よく見ると截金が美しい)、宇治田原町・禅定寺の十一面観音立像、精華町の菩薩形立像、木津町・大智寺の文殊菩薩騎獅像・・・・こうして上げていくとキリがないのですが、美しいと感嘆したのが、加茂町・常念寺、現光寺、宇治田原町・巌松院からお出ましの釈迦如来像。
あと、仏像ではありませんが加茂町・海住山寺の五重塔初層内陣扉絵もまた拝見でき有難いことでした。
また図録を読んで知ったことの一つに、現光寺や大智寺の再興に助力した人物に圓照寺開山・文智女王のお名前が!(山村御流のお家元と繋がりがあると密かに萌えていました)
そして山城町出身者として何より萌えたのは
町内の泉橋寺で奈良時代に行基菩薩と聖武天皇が歓談していたこと!木津川の堤防から見た泉橋寺↑とお地蔵さん↓
お地蔵さんは戸外にあるのでは日本一の大きさかも。
毎年7/23の地蔵会、子どもの頃はとても賑やかでした。8/24にはお地蔵さんの周りで数珠くりをした思い出もあります。
木津川にかかる泉大橋↑と、木津川堤防から見る生駒山↓。毎年7/23の地蔵会、子どもの頃はとても賑やかでした。8/24にはお地蔵さんの周りで数珠くりをした思い出もあります。
奈良時代に行基菩薩がかけた泉大橋はもっと西にあり、私が子供の頃は、明治時代に架けられた橋柱の残骸が残っていました。
南山城展を見終わって出かけた実家への道中の木津川の堤防。ここからの景色は私の原風景でもあるのです。
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※9/16~11/12に東京国立博物館でも「京都 南山城の仏像」展開催