2023年6月12日月曜日

「すみからすみまで墨のおはなし」

興福寺で開催されていた奈良墨のWS「すみからすみまで墨のおはなし」に行ってきました。 

まずは、五重塔をカメラに収めて。
7月から始まる保存修理事業に向けて足場が組まれ始めていました。
工事のための前作業としてう回路を作るために、お隣の東金堂を拝観できるのは6/11まで、そのかわりに6/17より中金堂が開扉されます。

南円堂休憩所にて、「錦光園」七代目で墨づくり職人の長野睦さんによる墨の製造実演を見学させていただきました。
長野さんは「墨の魅力を分かり易く伝える」をテーマに活動&情報発信をしていらっしゃいます→ツイッター
飛鳥時代からある墨の歴史、その頃の墨は松を燃やしてできた煤から作った松煙墨で、今、主流になっている油煙墨は600年程前に、この興福寺の子院で作られたもの。 油に浸した灯芯に火を点けて煤を蓋の裏に集めて作るのだそうで、材料的にも手に入りやすいそうです。 
そう!ここ興福寺こそが油煙墨発祥の地なのですね。
煤と膠を溶かしたものと香料(樟脳)を混ぜ混ぜして型に入れて作る墨。乾燥させるのにおよそ1〜2年かかるそうです。
かつては40軒ほどあった墨屋さんも今では9軒に、そのうち8軒が奈良市内にあるそうで、まさに墨は奈良の地場産業。
奈良が発祥の地だからとか、寺社が多いからだけではなく、墨を乾燥させるのに、奈良の真冬の底冷えの気候がぴったりだからというのもあるそうです。 
松煙墨(右)と油煙墨(左)で書いたもの↑違いがわかりますか?
松煙墨の方が色が薄く出て、油煙墨が濃い墨色のようです。
作りたての墨を型から出したばかりのもの(右)と1~2年乾燥させたもの(左)。こんなに大きさが違ってきます。
そんなこんなの、墨にまつわるお話を伺いながら墨作りの実演を見学した後は・・・墨の試墨と書道体験。
普段から墨や筆を使うことがあまりないので(二月堂や不動堂で護摩木に祈願はよく書いているのですが)ちょっとドキドキしながら書くことを楽しみました。
最後にもう一度、五重塔の姿を目に焼き付けて・・・。
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興福寺でのWSは終了しましたが、「錦光園」では「にぎり墨体験」などのWSを随時開催されています→詳細