2024年10月17日木曜日

「三社託宣の世界〜伊勢・石清水・春日〜」

春日大社「学びの会」
10/13 <いのちと心の講座175>花山院宮司による講座「三社託宣の世界〜伊勢・石清水・春日〜」を聴講してきました。

まず本題に入る前に、「光る君へ」に絡めて少し寄り道的なお話をされましたので、こちらにもメモとして記しておきます。

花山院(かさんのいん)宮司のお名前から、「光る君へ」で本郷奏多さんが演じる花山(かさん/かざん)天皇が始祖ではと思われるそうですが、初代は藤原道長の曾孫・家忠で、この方が花山院上皇の在所だったところに住んでいたことから「花山院」と呼ばれることになったと、またその在所だったところに宗像神社があり、その境内には花山稲荷社が祀られているということです。
その他に、栄華を極めた藤原氏の物語でもあるのに、何故「藤原氏物語」ではなく「源氏物語」と名付けられたのか?とか、来年に春日大社で開催される「大鎧展」には日本の半分以上の国宝の鎧が出陳されるなど・・・興味深いお話の後にいよいよ本題に入ります。

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人々の生活の中に広く信仰された三社の神様の教えについて
内容をかみ砕いて解説して下さいました。

「天照皇太神宮」【正直】
悪事を企み眼前の利潤を成しても、必ず神明の罰が当たる。
正直に生活することで依怙贔屓を得られずとも必ず幸せが訪れる。

「八幡大菩薩」【清浄】
たとえ鉄丸を食すといえども心穢れたる人の物を受けず
銅焔に坐すといえども心が汚れた人のところで接待を受けない。

「春日大明神」【慈悲】
千日間注連縄を張った清めた家であっても邪見の家に至らず
重い喪に服していても慈悲の家なら赴くことはいとわない。

【正直と浄らかな心と慈しみ】という三社の神様のお告げ(託宣)は平安時代には成立していたようです。
同時夢想といわれる、嵯峨天皇が天照大神の、弘法大師が八幡大菩薩の、卜部氏が春日大明神のお告げを同時に夢の中で賜わったそうで、平安時代にまずは宮中で信仰され、鎌倉時代には東大寺東南院の庭前の池水に託宣の文字が現れ、武士の間に広まり、室町時代には吉田神道をつくった吉田兼倶が庶民に広めて、以降600〜700年の間に日本中に広まって、日本人の道徳に一番影響を与えたのでした。

その、日本中の庶民の間に広まった一つに、「三社宣託」を掛軸にしてどこの家にも掲げられていたからというのもあるようで

春日大社がお持ちの掛軸をいくつか見せていただきました。
(講座終了後に撮影タイムがありました↓)

上の写真↑の右側の掛軸が室町初期のもので、興福寺別当大乗院経覚大僧正直筆。春日大社遷宮のお祝いに奉納されたものだそうです。

字がくすんでわかりづらいので、もう少し見やすいものを手に入れられたのが、下の写真↓の左側のもの。

下の写真↓の右側のものは、蝋燭の煤で真っ黒になっているところからこの掛軸を拝みに拝んだことがわかる江戸時代のもので、文字が飾り文字になっています。写真ではわかりにくいですが、八幡大菩薩ではなく八幡大神宮と書かれています。

また、下の写真↓の真ん中のは、文字がわからない人のために絵で表された掛軸。上部に描いてあるのは日輪(天照皇太神宮)と月輪(お釈迦様)。

同じく、絵で描かれた掛軸で上の写真↑の左側は、春日さんだけ後ろ姿になっています。この掛軸は江戸時代末期に花山院家厚が描いたもので、藤原氏にとって春日の神様は、お顔を拝することも畏れ多いことと、後ろ向きに描かれたようです。
掛軸の絵の八幡さんは弓矢を持つ姿で、武士の神様を象徴している。皇祖神である天照大神は天皇家の神、春日さんは藤原氏(貴族)の神・・・と、三社の託宣はそれぞれ天皇家・貴族・武士へ、そして庶民へと大切に広がっていったのです。

こうして、どこの家にも掛軸として掛けられて、日々に神様のことばに触れて、神様のことばを唱えて実践していくと神様の御加護を受ける……古来日本人が大切にしてきた三つの徳「清浄・正直・慈悲」は、先人達が努力して積み上げてきたもの。
この道徳が、今の世の中、少し崩れてきているように思うのは、神棚がない家が多くなっているからではないかと、最後に宮司さんがおっしゃったのがとても印象的でした。

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講座が終わり、中野権禰宜のご案内で御本殿を参拝しました。 
摂社「総宮神社」は元々興福寺境内五重塔の南側にあったもので、明治以降に春日大社の境内に遷され、伊勢春日八幡大神の三社もお祀りされています。
「朝歩き」でご案内する睡神社の睡大神さまも合祀されています。
回廊の外側に小山のようになっているのは、何十年何百年と枯葉を掃いて溜まったのが堆積して山になったものだそうで、掘り返してみると創建当時の枯れ葉が出てくるかもというようなお話でした。
いつもお参りしているところでも、こうして神職さんのお話を聞きながらご案内していただくと、また知らなかったことを知り得たりと興味が尽きませんね。

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余談ですが・・・
「朝歩き」で何回かご案内している、春日野園地がかつてグラウンドであったり、三社池あたりに春日野プールがあったりした話ですが(「奈良、旅もくらしも」の連載エッセイ「わたしと奈良」2回目にもちょっと書いています→)、そのプールは今の三社池がプールになっていたとずっと思いこんでいたのです。
それが、三社池のところにあったのではなく東隣にプールがあって、三社池は沼地のようだったということを、つい最近知ることになり、三社池に興味が集中し始めたところにこの講座の事を知って聴講したのです。
講座では「三社託宣」について詳しく教えていただき有難いことでしたが、三社池については託宣が現れたということ以上には知ることができず、もう少し調べていこうと思っています。

2024年10月15日火曜日

大仏さま秋の祭り

廬舎那仏造顕発願の日に当たる10月15日は「大仏さま秋の祭り」で、慶讃法要や献茶式、慶讃能などが、厳かにまた賑やかに行われます。

幡がたなびく大仏殿。まずは大仏様にお参りして

今日は、お誘いいただいて初めての華厳茶会へ。
あまりお写真を撮らなかったので、ご一緒した皆さまからいただいたお写真をアップ。
お茶席は本坊、大仏殿西庭集会所、真言院勧学院と、普段入ることができないところばかりなので、それも少し楽しみでした。 
本坊のお庭↑と大仏殿西庭からの大仏殿↓
勧学院のお庭も素敵でしたが、撮り忘れ。
鏡池では慶讃能が始まったばかりでした。
お昼前までびっしり仕事をしていてのバタバタと駆けつけた「大仏さま秋の祭り」。お茶会にお着物でとも思いながらも普段着慣れていないこともあって、今回は皆さまのお着物で目の保養。着物は見ているだけで楽しいですね。

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帰り道に、正倉院裏手でナンキンハゼの紅葉を目にしました。
そういえば、奈良公園の紅葉トップバッターはナンキンハゼでしたが、私の散歩道のナンキンハゼは軒並み伐採されているので、正倉院の裏手を歩きながら丘の方の遠くに紅色が見えて、そして家の近所で金木犀の香りに気がついて、ようやく秋の気配を感じました。 
正倉院の塀の中にも赤色があちこち目につくようになりました。

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五劫院さんの掲示板には、公慶上人のお弟子さん、公盛上人三百年忌のお知らせが。11月14日11時よりです。
そして、今晩は後の月、十三夜でした。

2024年10月12日土曜日

4冊の本や写真集のご紹介*

先日のことです。同じ日に4冊の本が届くという偶然がありました。

時計回りに、右上より
①奈良県立橿原考古学研究所1996年発行の「奈良県文化財調査報告書第71集 東大寺三社池-史跡東大寺旧境内の発掘調査-」
11月にご案内する「ちとせなら」さんの朝歩きでも三社池のお話をするのですが、私が話せるのはここが以前(1988年のシルクロード博開催以前)はプールだったということだけなので、三社託宣のことも勉強しなければと色々調べているうちに、この調査報告書の事を友人より教えてもらい奈良県立図書情報館へ行って、必要ページのコピーを取っていたところ、修二会でよく会う方と偶然ばったり。
何とこの報告書を持っているそうで「必要な人に見てもらった方が・・・」と送って下さったのです。
説明が長くなりましたが、これまた偶然にも明日10/13に春日大社で花山院宮司の「三社託宣の世界」という講座があることを知り申し込みましたので、こちらはまた後日にブログでレポしたいと思います。
※ちなみに三社池がプールになったのではなく、三社池の東隣がプールだったことも報告書の図から知りました。
 
右下は
②「元興寺とならまちの建築・美術-語られなかった謎に迫る-」
元興寺の建築を中心にならまちの文化財について考察されたのは、「奈良まちづくりセンター」監事の清水和彦氏。
奈良俱楽部の図書室に置いていますので是非ご覧ください。

左下は
③「かぎろひの大和路」復刊第37号
二上山の北麓・香芝が特集されています。
いつもながらの充実した内容を読んで、読者からのおたよりコーナーに目を通していると!

何と、奈良通のリピーター様の投書が掲載されていて、しっかり「奈良倶楽部」のことも書いて下さっています。
T 様、どうもありがとうございました。

最後にご紹介するのは、左上の
④「万葉挽歌‐人形からみる古の奈良‐」
写真家MIKIさんが、永瀬卓さんのお人形を展示会場で撮影したものを写真集にして永瀬さんに贈られたものです。
それを、展覧会開催に関わったメンバーに永瀬さんから記念にとプレゼントしていただきました。
それにしても、MIKIさんが撮る人形の何て儚げで美しいこと!
人形たちが美しくつくられた作品なだけでなく、人形が実在した人として、その人の祈りや息遣いが写真から感じられ、人形の持つ感情を掬い取っている写真に、柔らかで優しい色合い、淡くも儚げでもあり、見ているだけで、心の奥の深いところまで癒されていくようで、展覧会の人形たちをまた違った形で残して下さったことに感謝です。
永瀬さんが鎮魂のためと心を込めて制作された人形たちも、きっと心が鎮められているのではと思いました。
こちらはラウンジに置いていますので、ご覧になる時はお声かけて下さい。
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写真集をスマホで撮影したもので、オリジナルとは違ってしまいますが、一部このような写真です↓







ご本や写真集を送って下さり、皆様どうもありがとうございました。

2024年10月11日金曜日

10月のお出かけ情報③〜寺社伝統行事:後半

10月後半の寺社伝統行事のご案内です。
10/11現在でわかる範囲を記載しています。当日ご参拝予定の方はHPなどでご確認の上、お出かけください。よろしくお願いします。

◇10/16 14:00~當麻寺中之坊「導き観音祈願会」
問合せ:0745-48-2001

◇10/16  10:30~ 丹生川上神社中社例大祭
問合せ:0746-42-0032

◇10/17 漢国神社例大祭
・10/16 18:00~ 「宵宮祭」神楽奉納
・10/17 10:00~ 「例大祭」12:00~「渡御」
問合せ:0742-22-0612     

◇10/17 興福寺大般若経転読法要
南円堂拝観時間は9:00~17:00 / 法要は13:00~

問合せ:0742-22-7755

◇10/18  13:30~ 壺阪寺めがね供養会 / 眼病封じ祈願会
問合せ:0744-52-2016

◇10/19 13:00〜 吉野脳天大神秋季大祭
問合せ:0746-32-4880

◇10/20  9:00~ 興喜天満神社「秋季大祭(初瀬まいり)」
宵宮祭は10/19  16:00~
問合せ:0744-55-2300

◇10/20 宇太水分神社秋の例祭
問合せ:0745-82-2457(宇陀商工観光課)

◇10/21~10/23 唐招提寺「釈迦念仏会」
・10/21 14:00~、 19:00~
・10/22  4:00~、 14:00~、 19:00~
・10/23  4:00~、 7:00~
鎌倉期に解脱上人貞慶が始めた800年来の伝統行事である。
早朝・昼・夜と、1日に三度の法要が礼堂で営まれる。
特に21・22日の昼の法要後には、国宝の金亀舎利塔を拝観できる。
2012年のブログ内記事はこちら
問合せ:0742-33-7900

◇10/24  10:00~ 大神神社秋の大神祭
問合せ:0744-42-6633
 
◇10/24  9:30~  玉置神社例大祭
問合せ:0746-64-0500

◇10/24 14:00〜 帯解寺「地蔵尊護摩祈祷会」
問合せ:0742-61-3861

◇10/24~10/25 葛木坐火雷神社「秋季御例祭」
問合せ:0745-62-5024

◇10/26 16:00~  飽波神社「なもで踊り奉納」
平成7年に約100年ぶりに復活させた「なもで踊り」を奉納します。
問合せ:0743-57-1524(安堵町商工会)

◇10/26~27 都祁水分神社「秋季大祭」
・10/26 13:00~15:00 都祁山口神社へ遷幸の儀 御旅所祭
・10/27 午前中に山口神社を出発12:00前御輿休み
     13:00~都祁水分神社からお迎え還幸の儀 還御祭
問合せ:0743-82-0097

2024年10月7日月曜日

「復興支援イベント」と「きたまちといろ」

10/6 奈良公園界隈からきたまち一帯でも、さまざまなイベントが行われていた快晴の日曜日。
午後からお休みを取っていたので、まずは、大仏殿中門から国際フォーラム甍別館と「能登半島復興支援」のために開催された催しに行ってきました。 

午後1時半より大仏殿中門前では、石川県指定無形文化財、輪島市指定無形文化財の「御陣乗太鼓」の奉納演奏が行われました。

ぎりぎりの時間に行ったので、大勢の人の間から撮った一枚。
東大寺公式X に動画が上がっていますのでご参照ください→
御陣乗太鼓の由来は、上杉謙信が奥能登に攻め入り名舟村に押し寄せてきた際に、武器らしいものがない村人たちは、樹の皮で仮面を作り海藻の頭髪で太鼓を打ち鳴らし上杉勢に逆襲し戦いを勝利に導いたのを起源とするそうです。勇壮で素晴らしい演奏でした。

※御陣乗太鼓は10/8(火)に薬師寺でも奉納演奏が行われます。
14:00~14:20 薬師寺食堂北⾯⼗字廊跡
19:00~19:20 薬師寺食堂内

その後は、春日野国際フォーラム甍別館で開催されていた「チャリティーレストラン絆」へ。
ささやかですが寄付もさせていただきました。

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夕方には奈良県庁回廊で開催されている「きたまちといろ」関連イベントへ。最終日にランタンの点灯と撤収作業のお手伝いも。

16時で終了の「きたまちBOOK PARK」
終了間際だったので商店街に出店している本屋さんは店仕舞い最中でしたが、豊住書店さんはまだ開けておられて、閉店以降初めて伺うことができました。
1988年(奈良倶楽部開業の前年)に開催されたイベント「シルクロード博」の公式ガイドブックをget!紙袋がいいですよね。

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その後、県庁回廊でランタン点灯のお手伝いをして、「きたまちといろ」連携イベントの「みんちが夜市」と「種々カレー帳」でカレーや美味しいものをいただき、久しぶりに出会う人たちとおしゃべりも楽しみました。


ランタン撤収時間までの間に他の点灯場所も廻って来ました。
東向北と花芝商店街の道路わきに延々と続くランタンの明かり。
転害門前広場の灯かりも綺麗です。
個性的で凝ったデザインのもの、東京のまほろば館のWSで作られたものなど、一つ一つ見ていて見飽きず、たくさんの明かりが灯された転害門のある風景もまた素敵でした。


そして時間が来てランタンの撤収です。
ライトが点いたままいったん集めて、一個ずつ消していく作業。
ケースに入れた明かりのついたランタンたち。
今年もたくさんの方にWSで作っていただきありがとうございました。

2024年10月4日金曜日

10/5「転害会」 御鳳輦渡御は中止

明日の手向山八幡宮「転害会」の 御鳳輦ごほうれん渡御と転害門での祭典は、雨天予報のため中止になりました。
舞楽奉納は御本社で神事(9時~)の後に斎行されます。


また「転害会」に合わせて東大寺勧進所内の秘仏開扉も行われます。
10:00頃(法要終了後)~16:00 東大寺 秘仏公開 
勧進所八幡殿「僧形八幡神坐像」
勧進所阿弥陀堂「五劫思惟阿弥陀如来坐像」
勧進所公慶堂「公慶上人坐像」
              (東大寺公式Xより画像拝借)

奈良俱楽部のご近所では
9:00~15:00 五劫院「五劫思惟阿弥陀仏像」特別公開
13:00~15:00「旧細田家住宅」公開
ぜひ合わせてお立ち寄りくださいませ。

2024年10月3日木曜日

10/6「能登半島震災復興支援イベント」

10/6に奈良公園界隈で「 能登半島震災復興支援イベント」が2つ行われます。

◆「御陣乗太鼓奉納演奏
10/6(日)13:30~大仏殿中門前
      15:00~春日野国際フォーラム甍別館
能登半島地震復興支援の「御陣乗太鼓奉納演奏」が行われます。

石川県指定無形文化財、輪島市指定無形文化財の「御陣乗太鼓」。
御陣乗太鼓が伝えられてきた輪島市名舟町は、9/21の豪雨水害で再び甚大な被害に見舞われました。
当日は募金も受付ておられます。ご協力よろしくお願いいたします。

◆「チャリティーレストラン絆」
10/6(日)11:00~17:00(最終受付16:00)
会場:春日野国際フォーラム甍別館



「非営利活動法人テロワール」さんを中心に、奈良県内の様々なジャンルの飲食店が能登半島震災復興支援のためのチャリティーイベントを開催致します。
予約困難な星付きのレストランをはじめ、奈良の酒蔵、酒販店など、ドリンク、フード合わせておよそ30件を超える集まりとなりました。
出店者情報などは「~KIZUNA~~」のInstagramをご覧ください。

2024年10月2日水曜日

10/5・10/6「平城のとよほき」

奈良時代をテーマにしたイベント 「平城のとよほき」がこの秋も平城宮跡で開催されます!
開催日時:10/5(土)10/6(日)10:00~16:00
会場:平城宮いざない館


今回も、朗読劇にだるころに講演会にWSと盛りだくさんですね!

◆朗読劇は儚組の「朱雀門の蜥蜴」
朱雀門の下に棲む一匹のトカゲの視点で平城宮の生活を表現した物語
両日とも開催/無料/事前申込制

◆「だるころ」
王寺町で大人気の「だるまさんがころんだ」体験会。
雪丸もやってきますよ。
5日のみ開催/無料/事前申込制

◆企画展「平城京の町なかのお役所」に連携した
講演会「大学寮と鋳銭司」は杉山先生&渡辺先生の講座で
6日のみ/無料/満席になりましたが席を増やして事前申込制

◆キッチンカーや瑞祥マルシェ、パークホテルの古代食弁当(5日のみ)など飲食も充実!
◆巷で話題の奈良筆「あかしや」さんの「天平の夢」の試筆とセットの先行販売も!
・・・と、今回も色々楽しそうな「平城のとよほき」。
ちょうど「きたまちといろ」と重なるので、皆様どうぞ両方にお出かけくださいませ!

2024年10月1日火曜日

氷室神社御例祭御渡り「御旅所祭」

毎年10/1は氷室神社御例祭。
昨年は夕刻からの舞楽奉納を拝見したので、今年はご鳳輦お渡りと御旅所祭を見学に行ってまいりました。


せっかくなら、氷室神社ご出発からのお渡りを追っかけしたいところでしたが、10月になっても日中は蒸し暑くて一緒に歩いて行く元気がなく、興福寺中金堂前で待つことにしました。
興福寺に着いて国宝館前でちょっと一休みされているところ↑でしょうか。知っている人たちたくさんいらっしゃいます。
五重塔の建屋とクレーン車というレアな風景。
昨年は雨で中止されましたが、今年はお天気に恵まれました。
中金堂の前を通って南大門址の御旅所へ進みます。

ところで、氷室神社の御旅所が興福寺の南大門のところなのは何故なのかと、ふと疑問に。ちゃんとホームページに書いてありました。
↓ ↓ ↓
明治以前の御渡りの御旅所は、旧一乗院宮邸(現、奈良地方裁判所の敷地)の玄関にご鳳輦を安置し、興福寺の別当一乗院宮が参列なされ御旅所祭が斎行されていました。明治以降は興福寺南大門跡に御旅所を設けました。その後氏子の要望によって氏子区域32ヵ町を巡幸されることになり、近年まで継続していましたが、交通事情煩雑の為昭和39年に中止となり、令和2年に58年ぶりの復興となりました。

修祓、祝詞奏上、そして宮司さんの「ヲー、ヲー」という警蹕の声と共にご鳳輦の前の長方形のものを外されます。↓
これで、中にお入りの神様が少しお外の景色をご覧になることができるのでしょうか。
献饌では、すでにお供えされている神饌の瓶子の蓋を開けることで献饌とされ、蓋を閉めることで撤饌とされました。
興福寺僧侶の般若心経読経や玉串奉納など、神仏習合で御旅所祭が斎行され、最後はまた警蹕の声と共にご鳳輦の前の長方形のものを閉めて終了となりました。
美しい中金堂を背に、輝くようなご鳳輦のお姿。
御旅所祭は13時前から13時半頃まで、この後14時頃から同じルートで氷室神社へ還幸されます。(仕事の合間に出かけたので、今日はここまでで帰りました)

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興福寺に着いてすぐ、猿沢池畔の茶店でおうどんをいただきました。

お店の中から三重塔もよく見えるレトロなお店。
一度入ってみたかったのでした。