2026年9月8日火曜日

奈良博「南都仏画」後期展へ

奈良博で開催中の「南都仏画」展も今週末13日で閉幕です。
すでに前期展3回、後期展も1回観覧しているのですが、最後にもう一度、8/25から展示された名品を拝見せねばと行ってきました。
(前期展のブログ記事はこちら

7/22に行われた奈良博会員向けの特別鑑賞会で伺った後期展の見どころでは、東博から出陳の、南都仏画の代表作ともいわれる「普賢菩薩像」(国宝)が素晴らしいと聞き、その「普賢菩薩像」が談山神社ゆかりのものであることから、他に談山神社からの出陳も多いと伺って、それも楽しみでした。

「普賢菩薩像」↑図録の写真からでは伝わらなくて申し訳ないですが、やはり素晴らしかった!

「笠置曼荼羅」(8/25~)↑には、弥勒摩崖仏や笠置寺の堂宇が描かれています。帰宅して図録の解説を読むと、描かれた摩崖仏は大野寺の弥勒摩崖仏と細部まで合致するそうです。
生駒・寶山寺「弥勒菩薩坐像」(9/1~)↑は、東大寺「倶舎曼荼羅」(8/25~)↓に極めて近い描写が認められるのだそう。
奈良博の展示では、関連するものやその関連性も詳しく取り上げられているので、帰宅してから図録をじっくり読むのも楽しみです。

内山永久寺関連の第5章の展示室では、藤田美術館所蔵の「仏像彩画円柱」(~8/23)が展示してあったところに
藤田美術館所蔵 国宝「両部大経感得図」(8/25~)↑が。
あの彩画円柱も素晴らしかったけれど、こちらも迫力ありました。

絵巻物では、信貴山縁起絵巻(~8/23)・華厳五十五所絵巻(通期)・東征伝絵巻(8/18~)など国宝・重文の素晴らしいものが出陳されていて、その中でも前期に見た絵因果経の画面に釘付けになっておりました。
後期展示の「絵因果経」(国宝)上品蓮台寺↑
上段が後期展示(奈良博所蔵・重文)下段が前期展示(醍醐寺・国宝)↑図録で比べて見てみると、前期展示で見た醍醐寺所蔵の絵因果経の絵がとても漫画チックでユニークに思いました。

つい先日、友の会の講座で橋村管長の講演を拝聴しましたが、その時に映し出されていた画像と同じ仏画がありました。「香象大師像」↑
香象大師法蔵は華厳教学を大成した僧で、経几の下に敷かれた花氈に描かれた文様と経包みに描かれた文様が色違いで同じ図柄など、よく見ると細かいところまで美しい。

その他に、あらためて「法隆寺金堂壁画」の凄さに見入りました。
金堂内部をイメージした第一展示室はやはり圧巻です。

そして内山永久寺の失われた名宝の数々が、この展覧会で邂逅を果たしたことの意義も大きいとあらためて思いました。

今回は後期展示を中心に、個人的に印象深かったものを紹介しましたが、何度足を運んでも「美しいものがたくさんある」という印象が大きい展覧会でした。
(展覧会のキャッチフレーズ通り、美麗で麗しきものが揃っています)
充実した内容で一度に全部を把握できないくらいの濃い展覧会でしたが、何度か足を運んだおかげで、拝見したものを少しずつ咀嚼できたように思います。

私の感じた「美しいものがたくさんある」という印象は、一つ一つのすべてに「神は細部に宿る」と感じるくらい、絵仏師や仏師が祈りを込めて制作されたからではないかと、そしてそれを大切に保存して伝えていくことにも祈りの心が込められていると感じました。

会期は、今週末13日の日曜日までです。
本当に素晴らしい展覧会なのでぜひご覧になって下さい。