2025年11月23日日曜日

東大寺講堂・三面僧坊発掘調査現地説明会

11月22日
「東大寺講堂・三面僧坊発掘調査現地説明会」に行ってきました。

上の写真↑の手前が「三面僧坊跡」で、こちらの発掘調査現地説明会は昨年9月に行われ(ブログ記事)、今回は大仏殿寄りの「講堂跡」の南側を発掘調査された説明会です。

講堂基壇南面(写真のオレンジ色)が発掘調査されたところ↑↓

説明会でいただいた資料から・・・発掘調査でわかったことなど。
・講堂は2度建て替えられたが、奈良時代から礎石はかわっていない。
・礎石は動かされた形跡がないことから、創建当初と同じ位置に再建を繰り返した。(記録によると917年の火災、1180年の平氏の焼き打ち後にそれぞれ再建されたが、1508年に焼失後は再建されなかった)
・講堂の基壇の大きさは東西約61m、南北約36mで大仏殿に次ぐ規模。
・礎石69個から建物の規模は東西54m、南北29mと考えられている。
・基壇の高さは約1.5mで、南面には幅約45mの階段があった。
・東西の礎石11間のうち9間に扉がついていること、この幅が階段と同じである。

写真内の文字が見えにくいですが↑奥(写真上部)には、江戸時代の大仏殿の瓦を明治になって捨てた様子がわかります。
右下の方には礎石を据え付ける穴も見えます。
階段の盛り土が確認されたところ↑
この盛り土を検出したところから、階段の存在とその規模(東西9間分)がわかった。
写真の真ん中に赤色の石が見えますが↑これが火災で焼けた凝灰岩。
創建当時の基壇外装には凝灰岩が使用され、鎌倉時代の再々建時には外装の石材は花崗岩に変更されたようです。
奈良の二上山で採れた凝灰岩が使われているそうです。





基壇南側には平安時代の再建時に据えられた石列が見つかる。

 
屋根からの雨水を処理する雨落ち溝のほか、僧坊と講堂を結ぶ東西の廊下「軒廊こんろう」の遺構も確認でき、軒廊や階段の構造は、正倉院に伝わる東大寺境内の絵図「殿堂平面図」に描かれた講堂の姿とも符合するということです。
発掘に伴って出てきたものも展示されていました。お金も!

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奈良に住み始めた30数年前のこの辺りは、松の木が多くて鬱蒼とした松林の中に講堂の礎石がありました。その後、松枯れの病気でほとんどの松が伐られ、いつの間にか桜やイロハモミジが植えられて・・・そして数年前から始まった境内整備事業でその桜の多くも伐られてしまって、随分と違った景色になって寂しさを感じておりました。

昨年の三面僧坊と今年の講堂跡の現地説明会を通して、東大寺創建当時から鎌倉時代まで、ここに僧坊も講堂もあった時代の確かな証拠を見ることができ、私の個人的な雑木林へのノスタルジックな想いを超える何かを、何かに思いを馳せることができるようになりました。

僧侶が経典の講義や説教をする場であった講堂。千人以上もの僧侶、全国から勉学のために集まった僧侶達が寝起きする場であった僧坊。
多くの僧侶がここに集い学んでいたことを歴史の事実として知っていても、実感が伴わなかったこと。
現地説明会で千年以上も前の痕跡を知ることで、僅かながらも想像の翼を広げることができたと思いました。

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帰りは大湯屋に立ち寄り大銀杏の見事な黄葉を目に焼き付けました。

2025年11月21日金曜日

大仏池紅葉便り④~銀杏の絨毯始まりました

 11月21日
大仏池周りの紅葉便りも佳境に入りました。
今日は東大寺幼稚園で開催されている「東大寺学園幼稚園 チャリティー書画展」を拝見がてら、大仏池を一周してきました。
散策に出ない日に車で通ることもあり、ほぼ毎日見ている風景。

秋晴れの今日はまた一段と空気が澄んで美しく




お馴染みの風景ながら毎日ここを通るたびに、綺麗〜っ思える幸せ。
多分昨日よりも今日が綺麗! と、美しさを毎日更新しているのです。

そして黄色の絨毯が敷き詰められ始めましたね!

はらはらと落葉している様子を動画でXにあげています→

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「東大寺学園幼稚園 チャリティー書画展」では
園児の皆さんが伸び伸びと個性豊かに描かれた作品に元気をもらい




一枚だけ残っていた別当さまの色紙を購入いたしました♬

「東大寺学園幼稚園 チャリティー書画展」は11/22まで
明日最終日は9:15〜12:00です。

また明日11/22は 「東大寺講堂・三面僧坊発掘調査現地説明会」も!
事前申込不要/入場無料  
9:30~15:00(説明は10時~・11時~・13時~・14時~の4回)

大仏池の銀杏やモミジの紅葉を楽しみがてら是非お出かけください。

<<おまけの画像>>
大仏池の畔でうとうとお昼寝中の鹿たち。
正倉院西側の桜(ナラノヤエザクラとナラノココノエザクラ)の紅葉に銀色に輝く蜘蛛の巣を見つけて思わずパチリ。

2025年11月20日木曜日

「里中満智子展」と「かがみ展」

奈良県図書情報館』へ、11/30まで会期延長の「里中満智子展」を観に行く途中に 『奈良市埋蔵文化財調査センター』があることを初めて知り、そういえば先日お泊まりの方がここで開催中の「かがみー含水居蔵鏡と銅鏡史ー」展を観てきてよかったとおっしゃってたのを思い出して立ち寄りました。 


「かがみ展」の副題にある「含水居蔵鏡がんすいきょぞうきょう」とは?
元帝塚山大学短期大学部名誉教授の大伴公馬氏が蒐集された中国鏡コレクションで、氏の雅号にちなみ「含水居蔵鏡」と呼ばれています。

奈良市内の古墳は陵墓や平城京造営で破壊されたものが多くあり、副葬品の明らかな古墳はわずかで、奈良市教育委員会が保管する古墳時代の銅鏡は、弥勒寺より寄託を受けた三角縁神獣鏡1面があるのみでした。
しかし、富雄丸山古墳から鼉龍文盾形銅鏡および三角縁神獣鏡・虺龍文鏡・画像鏡の合計5面が出土したこと、時を同じくして「含水居蔵鏡」が寄託されたことなどから、奈良市と銅鏡の結びつきが強まり、今回の展示が企画されたということです。

私自身は、実家のある木津川市山城町にある椿井大塚山古墳のことから、小学生のころから鏡のことは授業で習っていたのに、あまり興味が持てずにいました。(多分地味だから?)

つい最近、京都の泉屋博古館で青銅器コレクションを見て、そこから少しだけ銅鏡に興味が湧いてきたところに、今回まとまったたくさんの銅鏡コレクションを拝見して、鏡の模様を丁寧に見てみると何と素晴らしいデザインだ!と、遅まきながら気がついた次第で、銅鏡初心者には大変わかりやすい展示内容でした。
※富雄丸山古墳から出土の銅鏡は、クリーニングや保存処置中であるためパネル展示になっています。

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勿論、図書情報館の「里中満智子展」も見応えあって、飛鳥藤原時代の古代史をもう一度学びたいと思うのでした。

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◆図書情報館の「里中満智子展」は11/30まで開催。
 開館時間:9:00~20:00
 本日以降の閉館日は11/25(火)と 11/28(金)

◆奈良市埋蔵文化財調査センターの「かがみ展」は12/26まで。
 開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
 休館日:土曜・祝日 / 日曜日は開館

2025年11月19日水曜日

お客様へ*お伝え事項

ご宿泊予定のお客様へ、奈良倶楽部からお伝え事項を幾つか++

まず、お問い合わせの多いお弁当のこと・・・
近隣に夕食処がほとんどない奈良倶楽部では、お弁当ご希望のお客様に「cobachi庵」さんのお弁当をご案内しています。
「cobachi庵」HPからお好きなメニューを選んで、お客様ご自身で「cobachi庵」へ電話注文していただくことになります。(メニューが豊富なため直接やり取りしていただくことになっています)
勿論、その他のお好きなものを持ち込んでいただいてもかまいません。


またお問合せが多い事項について、以下あらためてご案内いたします。

◆奈良倶楽部ではクレジットカードのご利用ができません。
お支払いは現金でよろしくお願いします。

◆館内は全館全室禁煙・電子タバコも不可です。
喫煙される方は戸外に灰皿を用意しますのでお申し出ください。

◆奈良倶楽部の朝食の時間は8時スタートが基本です。
出発時間の関係でこの時間がご無理でしたら、予約時に朝食なしでお願いします。また少し早い目でも10分ほど早くのご用意になります。
朝食の有無については宿泊日の前日までにお知らせください。

◆チェックアウト(10時)からチェックイン(15時)までの時間帯の、特にお昼前後は仕入れに出ているなど不在の時間帯が多々あります。(不在時は閉まっています)
お荷物をチェックイン前に置きに来られる場合は必ず事前に電話かメールでご連絡ください。

奈良俱楽部:電話 0742-22-3450 / 090-9253-5387
メール:ktnaraclub@gmail.com

その他、旅の行程や夕食処のお奨めやご宿泊に関してのお問合せなどもお気軽にお尋ねください。どうぞよろしくお願い申し上げます。

2025年11月17日月曜日

大仏池紅葉便り③~今が見頃!

朝のお散歩のおすすめコース。奈良倶楽部から徒歩10分の大仏池周りの紅葉・黄葉が見頃を迎えています。



大銀杏の黄色の絨毯はまだですが、全体に見事な黄葉です。

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今日は水門町のギャラリー五風舎で開催中の「山本義博 琳派陶展」(Instagramに写真をpostしています)を拝見に出かけました。
その道中に立ち寄った西大門址の大銀杏も見事でした。
明日明後日はもっと気温が低くなるようで、体調に気をつけなければと思いつつ、紅葉も美しく色づいてくるのかなと少し楽しみにしているところです。
近場ばかりの紅葉便りですがまたご覧くださいませ。

2025年11月16日日曜日

NEW LIGHT POTTERY + 塩津植物研究所

高畑にある「NEW LIGHT POTTERY」さんで開催中の 「盆と栽」へ。

照明器具の製品としての基準を満たさなかった素材が「鉢」になり、「塩津植物研究所」さんの手によって「盆栽」へと新しく生まれ変わったものたち。 






お店の中のすべてがお洒落で素敵で、2階の照明製品のショールームも拝見でき、いつか奈良俱楽部のお部屋にお迎えできればと思いました。










そして私は、真鍮鋳物パーツにヤマアジサイが植えられたものをいただきました。来年の梅雨時に花を咲かせてくれるのを楽しみに・・・↓

NEW LIGHT POTTERY Special Exhibition 「盆と栽」は
11/16(日)10:00~18:00まで開催しています。