2025年8月1日金曜日

秋のご予約開始と「ほうせき箱」プラン

暑中お見舞い申し上げます。
毎日暑いですね・・・
今年は早くから猛暑日が続いて、まだ8月になったばかりなのに秋の訪れが待ち遠しい毎日です。

さて、8月になり秋のご予約が受付スタートしました。
正倉院展(10/25~11/10)が10月11月にまたがって開催されるため、10・11月の2か月分のご予約を受け付けています。
うだるような暑さの毎日ですが、心の中で秋の奈良旅に想いを巡らしてご計画検討いただければ嬉しいです。


そして、夏の奈良旅といえば、かき氷!


奈良俱楽部では『ほうせき箱さんのかき氷が確実に食べられる宿泊プラン』をご用意しております。

このプランをご希望の方は、奈良倶楽部からお席の予約を入れますので、ご宿泊前日の夕方までに、電話(0742-22-3450)、ショートメッセージ(090-9253-5387)、またはメール(ktnaraclub@gmail.com)で、 ・お名前 ・ご希望日時 ・人数 をご連絡下さい。

ほうせき箱」さんの定休日の木曜日や不定休日以外はいつでもご利用いただけます。
但し、奈良俱楽部ご宿泊当日(チェックイン前の時間でも可)と翌日の10:00~16:50(土日は~17:20) で、お昼休憩の12:50~14:00を除いた時間になります。

まだまだ厳しい暑さが続きますが、体調に気をつけてお元気でお過ごしくださいませ。

画像は、先日「大佛さまと子どもたち」の映画を観た帰りに「ほうせき箱」さんに立ち寄っていただいたかき氷。
美味しくて冷たくて生き返りました。

2025年7月29日火曜日

奈良博「世界探検の旅 ―美と驚異の遺産―」

奈良国立博物館開館130年・天理大学創立100周年記念特別展
「世界探検の旅 ―美と驚異の遺産―」(会期:7/26~9/23)
7月25日、会期前日の内覧会にお邪魔して鑑賞してきました。

チラシやポスターのメインビジュアルが、黒地にニューギニアの仮面で、キャッチコピーが「ゾクゾクが、とまらない」。
いつもの奈良博らしくないし、ワクワクではなくゾクゾク?

アニミズム的なものが多いのかな?・・・と、ちょっと怖いモノ見たさな気分で出かけた内覧会でしたが、そこは奈良博!
私の想像をはるか斜め上行く素晴らしい展覧会で、内覧会の時間2時間では足らないくらい充実した内容でした。

や~、びっくり。めちゃ楽しい!ナニコレ?!よくこんな展覧会を開催して下さったなぁと、見終わった後は「ゾクゾク、ワクワク」。
何より、展示物全部の写真撮影がOKなのも嬉しい!

 以下、奈良博のHPより抜粋

世界中から集められた天理大学附属天理参考館の30万点にのぼる膨大なコレクションの中から厳選した作品群と、奈良国立博物館所蔵の仏教美術作品などを組み合わせ、人類の約6000年に及ぶ歴史を探求する展覧会です。「文明の交差する世界」「神々と摩訶不思議な世界」「追憶の20世紀」の3つの章で構成し、考古資料や民族資料を中心に約220件を展示します。
中には、世界でも天理参考館のみが所蔵する稀少な作品や初公開の作品も含まれます。時空を超えた世界探検の旅にどうぞご期待ください。

おお!世界探検の旅ですか!
なるほど、鑑賞しながら心が時空を超えて旅しているような?そんな気分も味わえる展覧会を、昨日の感動を思い出しながら、撮影した写真とともに鑑賞記を綴ってみたいと思います。(注:個人の感想です)

第一章『文明の交差する世界』
第1節「東西文明の起こり」
紀元前、古代メソポタミア・ギリシャ・中国から集めたものを。
まずは一番古い6000年前の彩文土器(写真↑右端)
シュメル王グデア頭像は世界に幾つかしかない希少なもの。
造形が美しく整っているものが多くて、こちらもその一つ。
「獣頭飾角杯」イラン紀元前9C~紀元前8C
ギリシア陶器の美しさ精巧さ。把手に描かれているのは魔除けの人面で、東に伝わって鬼瓦になったとも。紀元前4C。
柄がトルコ石!中国殷時代(紀元前13C~前11C)

第2節「シルクロードを行き交う文化・文物」
墓を守る鎮墓獣は人面と獣面が一対。↑↓中国唐時代。

正倉院展で観たことがあるものも!

第3節「ひろがる祈りの世界」
清凉寺式釈迦如来立像 日本 鎌倉時代
迦楼羅王 日本 鎌倉時代
兜跋毘沙門天立像は東寺のものの模造だそう。日本 平安時代
仏涅槃図 日本 南北朝時代

・・・などなど、奈良博所蔵のもの↑と、天理参考館所蔵のもの↓がコラボレーションしています。
特に以下、インド中部クシャーン朝時代のものは天理参考館が多くをまとまってコレクションしているのだとか。


でも、こちら↓は奈良博所蔵。
ガンダーラ地方クシャーン朝時代の菩薩立像。

第二章『神々と摩訶不思議な世界』
第1節「ニューギニアの祖霊・精霊」
もう圧巻!
知らない世界の扉が開いて、第二章以降はまさに世界を旅をしているような気分で鑑賞していきます。








キャプションもイヤホンガイドも丁寧に詳しく教えてくれるのが有難いです。

第2節「インドネシアの芸能が紡ぐ神と人の物語」


影絵芝居の人形たち

第3節「台湾原住民族の祖先神とシャーマン」
首狩り族のタイヤル族首長または首狩りに成功した勇者にしか着用が許されない上衣。貴重な無数の貝ビーズが縫い付けられています。
首狩りの刀なども
シャーマンが呪術を用いる際に使う道具を収納する箱など。

第4節「現代インドに息づく神々」
ヒンドゥー教神像のサラスヴァティー女神像は仏教にも取り入れられ、日本では弁財天として知られています。

叙事詩「マハーバーラタ」が描かれた手描きの布は寺院に掛ける布として使用された。

第5節「古代エジプトの神々と死生観」
この木棺は日本の画家が所有していたものだそう。
鳥のミイラ(紀元前7C~前4C)
ミイラ被い
木棺の断片(紀元前11C~前8C)
そしてこんなものも収集されていた!
死者をミイラにする際に肝臓、肺、胃、腸を取り出して保管するカノボス壺ですって。

第6節「異世界を行き来するアンデスの信仰と儀礼」

ミイラ包みの刺繍マント↑や、綴織布とミイラ包みの頭飾↓
どちらも↑7~11Cペルー南海岸ワリ文化。
ボリビア・インカ帝国期(15~16C)の金製頭飾

第三章『追憶の20世紀』
第1節「北米先住民の伝統文化」
北米先住民の象徴的アイテム、戦士の栄誉礼冠(鷲の羽根の頭飾り)
編み籠↑や土器↓

第2節「エジプト・カイロの大衆文化」
キルトの壁掛けと穀物用貯蔵籠は通気性のいい編み細工。

第3節「北京の看板」
幌子(ホァンツ)と呼ばれる中国の看板は、天理参考館創設者の中山正善が収集させたもの。
1940年頃まで日常的に使われていた幌子は、1949年の中華人民共和国成立後、徐々に街頭から姿を消し、現在では見つけることさえ困難になったそうです。

・・・ニューギニア、インドネシア、台湾、インド、エジプト、アンデスと巡る旅。そして北米先住民の文化を知り、カイロや北京の路地裏を歩いているような不思議な旅を体験でき、万博の海外パビリオン巡りもいいけれど、これもまた乙なことと楽しんだ展覧会でした。

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図録が秀逸で、このブログ記事を書く上でたくさん引用させていただき、ずいぶん勉強になりました。

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世界探検の旅 ―美と驚異の遺産―
会場:奈良国立博物館
会期:2025年7月26日~9月23日
開館時間:9:30~17:00(毎週土曜日と8/5~8/15は19:00まで)
休館日:7/28・8/4・8/18・8/25・9/1・9/8・9/16
観覧料金:大人1800円/高大生1300円/中学生以下無料

摩訶不思議アワー」のお知らせ:
毎週土曜日と8/5~8/15は17:00~19:00/毎週日曜日15:00~17:00限定で、いつもの博物館とは異なる照明やデジタル演出が実施されます。